「口が耳までさけるとき」

貸し本時代の「ヘビ」ものである。ある富裕な家の養女となった少女だが、その屋敷にはヘビの奥様がかわいい少女を

養女にしては冬の食料としていたのである。というオソロしい話である。

後に「少女フレンド」誌掲載の「ヘビ少女」のベースとなっているのは、まず間違いない。

 

 「ヘビおばさん」

これも貸し本時代の「サツキとカンナ」の山びこ姉妹シリーズのものである。

とある田舎の後添いとなった女が、邪魔な先妻の娘(サツキとカンナの友達)を狂わせてしまおうと、

「ヘビ」のふりをするが、ふりがほんものになってしまい…。まさしく「紅グモ」の原型となった作品

 

 「ママがこわい」「まだらの少女」

メジャー路線での「ヘビ」もの秋田書店より「まだらの恐怖」という単行本で刊行されている。

実際は「ママがこわい」から「まだらの少女」へと続く2部作。

自分が蛇だと思い込む女が、病院でそっくりの女と入れ替わる。そうとは知らない娘は、母親の奇行を

いぶかしく思うが、母親であるヘビママは娘を食べようと…。

やっと助かった娘の後を追いかけてヘビ女は田舎へと娘を追いかけてゆく。そこで娘の親戚がまむしにかまれ、

ヘビ女は、その血清を自分の血とすりかえてしまう。親戚の少女はそれから、ヘビ少女となってゆくのだった。

 


「へび少女」(秋田書店刊行「怪」第2巻「へび少女の怪」と同)

やはり「少女フレンド」に掲載された、「サツキとカンナ」の山びこ姉妹が主役のお話。

「うわばみ」の右目を鉄砲で撃った猟師がヘビの呪いで死んだ。その血を引く娘が養女となる。

しかし、引き取られたお屋敷の奥様は、実は「うわばみ」だったのだ。少女に復讐をするために

引き取ったのだ。このあたりは「口が耳までさけるとき」の韻を踏んでいる。その後ヘビ少女となった

その少女がサツキに魔の手を伸ばす…。美少女が「ヘビ」になってゆく様はゾッとするほど怖い描写が続く。

たらいに入った水を飲んだ後の目つきが変わり、井戸に投げ込まれてやっと這い上がったとき、すでにヘビに

変貌しているのだ。そこまで描くか楳図?!ってカンジ。

 「うろこの顔」

これは、かなり絵が定着された頃の作品。やはり「少女フレンド」に連載されていた。

連れ子として、大きな屋敷に来た娘の恐怖の体験。義理の姉がヘビのような性格になり、死んでゆく。

続いてその娘もヘビの顔になってゆく。美しい顔の皮がベリッとはがれ「うろこの顔」がむきだしになってゆく

描写は楳図ならではのシーンである。結局は、父親が殺したご神体である双頭のヘビ神さまの呪いだったのだが…。

 「蛇娘と白髪魔」

はっきり言おう、これは「ママがこわい」「赤ん坊少女(後述)」「紅グモ」をミックスさせた作品である。

奇しくも大映でこの作品が映画化されている(同タイトル)。とある屋敷に孤児院から引き取られた少女。

その屋敷には、屋根裏に醜い姉(?)が住んでいた。ヘビのような姉に妹は虐待されるが、健気に辛抱する。

(この辺は「赤ん坊少女」)また、姉は蛙に異常な執着を持ち、妹は沼に蛙がたくさんいるといって、深夜に抜け出した姉

を見て「姉さんはヘビよ」と主張する(このあたりは「ママがこわい」ですな。)

はたまた、「白髪魔」なるクモのお化けも出てくる。(「紅グモ」系?)

もうこうなると何が何だか分からない。楳図先生、どうしてこんな寄せ集めの作品を描いたのですか?

 

 「蛇」

「少年サンデー」誌に掲載された唯一「少年」もののヘビまんがである。

円熟味増した頃の作品で、ヘビに関するホラーはこれ以降描いていないようである。

後妻として、来た新しいお母さんが実はヘビだったという、これまでと代り映えのしないお話の展開。

生肉を2kgほどいっきに食うお母さんは、不気味でしたが…。

食べたいほどかわいらしい・・・食べさせてくれないから憎さ百倍!というのが根本的に作品には流れているのでしょうか?

 

次へ進む(次は「クモ」もの)

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